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婚礼料理の組み立て方に関するお話し(後編)

結婚式場が仕掛ける婚礼料理のランクアップ誘導法

 

婚礼費用の中でも最大の費用である料理。式場はさらに高い料理にランクアップするように仕掛けてきます。婚礼料理の組み立て方に込められたランクアップを誘導する仕掛けとは?元ホテル総支配人で婚礼仕掛け人の筆者が婚礼料理の裏側を解説します。


先に「料理の組立て方に関するお話し(前編)」で婚礼料理の「見せ筋、売れ筋、儲け筋」というお話しをしました。ですが婚礼料理の組み立て方はそれだけではありません。
今日は婚礼料理のアイテムについてお話ししましょう。
 
現在の婚礼料理は多様化していて、色々な国の料理や創作料理などが楽しめるようになってきました。しかし筆者が現役のホテルマンの頃は和食、洋食、和洋折衷の3パターンだけしか無く、しかも洋食と言ってもフランス料理はあるもののイタリア料理やその他の西洋料理はマイナーで、ほとんど市中でも見かけることはありませんでした。
その頃に筆者が企画した婚礼料理は以下のような内容でした。
 

 
前回の「婚礼料理の組み立て方(前編)」にてお話ししました「見せ筋」「売れ筋」「儲け筋」の考えを和食、和洋折衷料理、フランス料理に広げて全体の婚礼料理を制作しています。その結果として8種類の婚礼料理から選択できるようにしていました。
実はこの中で最も販売に力を入れ、結果的に最も高い販売シェアを獲得したのは「売れ筋」の「和洋折衷料理」です。婚礼料理全体の約65%のシェアであったと記憶しています。その次にお客様のリクエストが多かったのは「売れ筋」の「和食」で全体の約10~12%、その次の3位は「儲け筋」の「和洋折衷料理」で全体の8~10%ほどで、続く4位は「儲け筋」の「和食」でした。フランス料理は当時は婚礼料理メニューには入っていますが、ほとんどお客様に選ばれることはありませんでした。
 
「売れ筋」の「和洋折衷料理」が最も高い支持を得たのは「婚礼料理の組み立て方(前編)」でお話しした仕掛けが効いていたからです。具体的には 1.「見せ筋」との見た目の差異をはっきりさせる。2.見栄っ張りの日本人は「真ん中」の料金帯を選択する傾向にある。3.和食の他にステーキが入っているので、年配者にも若い人にも喜ばれる、というセールストークができる。
また「儲け筋」の「和食」「和洋折衷料理」が合わせて約15~18%というのも、筆者の仕掛けが効いている証でした。
 
なお、フランス料理については、フレンチレストランの数が今ほど多くは無かったこともあり、あまり一般的ではなかったので実績は殆どありませんでした。しかし、洋風のウェディングハウスが出来てきたり、ウェディングドレスが女性の憧れになって和装を圧倒するようになってきたため、フランス料理は徐々に婚礼料理の地位を向上させるようになり、現在では全国の半数以上の婚礼でフランス料理が選ばれるようになりました。以下に婚礼料理の最新の選択状況についてデータを表示します。
 

 
ご覧のように全国平均で52%強がフランス料理を選んでいます。特に首都圏や東海地区、関西地区の大都市圏ではフランス料理の比率が高くなっています。一方で折衷料理や和食は東北、北陸や九州、四国でフランス料理と同等かそれに近いシェアーとなっています。今後はフランス料理が地方に広がっていくのか、あるいは和食、和洋折衷が復権を果たすのか、どちらに転んでもさらに美味しい婚礼料理が普及していって欲しいものですね。
 
実は筆者は上記の統計には表れていない「新しい婚礼料理」が出てきて欲しいと思っています。その理由は、現在の主流であるフランス料理や和食などのコース料理と呼ばれる婚礼料理は温度管理がなかなか難しくて、折角料理人が心を込めて作った料理が本当の美味しさをお客様に提供できていないのではないかと考えているからです。「たろうくんとはなちゃんの結婚準備物語」の 第8話(美味しい料理は何で決まる ?)でお話ししていますように、コース料理が持つ致命的な欠点である温度管理の問題を解決して欲しいと思うのです。
 

 
上記の表には入っていませんが、筆者が推奨しているのは「卓盛り料理」と言われる料理形態です。このお話しは「たろうくんとはなちゃんの結婚準備物語」 第9話(結婚式・披露宴料理の提供スタイル)で詳しくお話ししていますが、温かい料理を温かく提供できるのでゲストにとっては美味しい料理を楽しめる一番の方法ではないかと思っています。もちろん「卓盛り料理」方式は和食やフランス料理、中華料理、イタリア料理などをミックスした構成が可能ですので、とても日本人向きの婚礼料理になるのではないかと期待しています。また、現在は65名前後の婚礼の平均ゲスト数がさらに減少して50名前後の平均ゲスト数になるだろうということ、さらに、婚礼費用が年々上昇するのにご祝儀の金額は3万円で頭打ちになり、新郎新婦の自己負担額がますます増えていく中で、もう少し簡略化した1 .5次会などがさらに普及すると今までのように高いだけの婚礼料理は次第に敬遠されるのではないかと思っているのです。そういう状況では比較的にリーズナブルな料金で品数も多く、温かい料理を温かく提供できる「卓盛り料理」は最適ではないでしょうか。
これからの婚礼料理は「品数、温かい料理、そしてリーズナブル」がキーワードであるように思います。
タイトル番外編